パソコンを狙ったウイルス感染の「偽警告」の見分け方と、警告画面が消えないときの対処法。
[掲載日]2018/10/16 1727 -

パソコンに突然、ウイルス感染を告げる警告画面が表示されたら、パニックになってしまいますよね。
しかし、パソコンに表示される警告画面のほとんどは、偽物の警告画面です。
警告画面が出ても、ウイルス感染しているわけではないので安心ですが、警告画面の指示に従ってアクションを起こすことで被害を受ける可能性があります。
パソコンを狙った偽警告画面と、表示された時の対処法を解説します。
偽の警告画面ってどういうこと?
偽物の警告画面を表示させているのは、セキュリティソフトなどではなく、サイバー犯罪集団です。
そのページにアクセスしたすべての人に、偽物の警告画面が表示される仕組みになっていて、ウイルス感染などと、ユーザーの不安を煽って、警告画面の指示通りに行動させることが目的です。
警告画面の指示に従っていくとどうなる?
では、警告画面の指示に従っていくとどうなるのでしょうか。
- ウイルスを駆除できるソフトのインストール画面に誘導される
- 不正サイトに誘導される
- サポートセンターに電話をかけるよう言ってくる
ここで、ソフトをインストールしたり、電話をかけたりすると、本当にウイルスに感染させられたり、個人情報を盗まれたりと被害に遭うことになってしまいます。
パソコンに表示される警告画面のパターン
偽警告画面といっても、その種類やパターンは様々で、中には警告音や音声が流れるケースもあります。
共通しているのは、「今すぐに修復しないと大変なことになる」ととにかく不安を煽るメッセージです。
最近では、「お使いのパソコンがウイルスに感染しました」というパターン以外にも次のようなトラブルを知らせるメッセージも増えています。
- ご使用のバッテリーが損傷しました
- システム障害を引き起こす可能性があるので最新のバージョンにアップグレードしてください
- ハッキングされています
- ファイルシステムが破損しました
- 不審なアクティビティを検知しました
よくよく冷静になって読んでみると、日本語がおかしいことも多いのですが、突然大画面に表示され「残り〇秒」などとカウントダウンが表示されれば焦ってしまい、なかなか気づくのは容易ではないかもしれません。
本物の警告だと勘違いしてしまうようなマイクロソフトやGoogleの名を騙った警告画面もあり、注意が必要です。
マイクロソフトを騙った偽物の警告画面
いかにもマイクロソフトから送られてきたかに見えるこの警告画面。
「ウイルスに感染している」「深刻な状況」「個人情報流出の恐れがある」などと不安にさせ、提供した電話番号に電話して修復するようにとすすめてきます。
画面が表示されると同時に、女性の声でメッセージが流れ、「ピー!ピー!ピー!」と耳障りな警告音まで出るので、ドキッとしてしまいますが、これも偽物の警告画面ですから、絶対に電話をかけてはいけません。
「サポート詐欺」とよばれるもので、電話すると修理のためと言って「リモートコントロールソフト」をインストールさせられます。
リモートコントロールソフトをインストールしてしまうと、遠隔操作が可能になりますから、サイバー犯罪者は個人情報を盗み放題というわけです。
ウイルス駆除の手数料を請求されることもあるようです。
Googleを騙った偽物の警告画面
Googleのロゴを使用し、あたかもGoogleからの警告だと勘違いしやすい警告画面ですが、偽物の警告画面です。
「アンチウイルス」をダウンロードするように指示してきますが、不正アプリですから絶対にダウンロードしてはいけません。
指示されたソフトをインストールすることで、本当にウイルスに感染し、個人情報が流出する危険性があります。
マイクロソフトやGoogleからの警告だと思うと、つい信じてしまいそうになりますが、実は見分ける方法があります。
サイトのURLで見分けよう
そもそも、ウイルスを検知できるのはセキュリティソフトで、マイクロソフトやGoogleからこのような警告が送られてくることはないのですが、サイトのURLでも偽物かどうかを判断することができます。
公式サイトのURLと違う場合は、名前を勝手に使った偽物であることがわかります。
例えば、マイクロソフトでは、必ず「microsoft.com」がURLに含まれています。
また偽物は、URL表示部分に「鍵のマーク」と「保護された通信」がないことがほとんどです。
パソコンに表示された偽物の警告画面を消す方法
こうした偽物の警告画面は、無視してブラウザやタブの「×」をクリックして画面を閉じてしまえば、なにも問題はないのですが、画面を閉じることができない警告画面もあり、困ってしまいます。
その時は、次のようにして警告画面を消しましょう。
タスクマネージャーで終了させる
デスクトップ画面下、タスクバーの何も表示されていない部分を右クリック⇒「タスクマネージャー」をクリック。
警告画面が表示されているブラウザを選択して、タスクの終了をクリックで消すことができます。
青矢印をクリックすると、簡易表示と詳細表示を切り替えることができますよ。
私はいつもこの方法で行っていますが、タスクマネージャーは、「Ctrl + Shift + Esc」の同時押しでも起動できます。
ブラウザがフリーズして動かない場合
パソコンがフリーズして、マウスやキーボードが反応せず、タスクマネージャーを起動できないケースもあります。
そういうときは、最終手段となりますが、電源ボタンを長押ししてパソコン自体の電源を落とします。
ちなみに、電源ボタンを長押しして電源を落とす強制終了は、ハードディスクへのダメージが大きいので頻繁に行うのはやめましょう。
電源ボタンを長押ししても、電源が切れない場合は、ディスプレイとパソコン本体の電源ケーブルをコンセントから外して、放電を行うことで電源が切れるようになります。
その後、パソコンを再起動して問題がなければOKですが、それでも操作不能という場合は、メーカーやパソコン修理業者に相談することをオススメします。
ブラウザの復元機能に注意!
最近のブラウザには、終了時に表示していたWebページを復元する機能がついています。
そのため、タスクマネージャーを使って終了した場合、再起動した時にWebページを復元するかどうか聞かれます。
復元してしまうと、せっかく閉じた偽物の警告画面がまた出てきてしまいますので、注意してください。
警告画面が何度も出るときは・・・?
ブラウザを閉じて対処しても、日に何度もしつこく警告画面が表示されてしまうことがあります。
これは、ブラウザの閲覧履歴に詐欺広告のURLが記録されてしまっていることが考えられるので、閲覧履歴や画像のキャッシュを削除しておきましょう。